かすみ草のゆりかご 助産師ママです
子どものほとんどがかかると言われているRSウイルス感染症
RSウイルスは感染力が強く、免疫のない乳幼児にとっては新型コロナウイルスよりも感染した時の症状が重くなる場合があり注意が必要な感染症です。
RSウイルスってなに?っていう人もいると思います。
RSウイルス感染症とはどんな病気なのか?どんな症状があれば受診が必要なのか?特に注意が必要な人や予防方法について説明したいと思います。
目次
RSウイルスってどんな病気?
RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。感染力の強いウイルスで、ほとんどの子どもがかかると言われています。生後1歳半までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。
感染してもほとんどは風邪の症状のみですが、症状が重くなると肺炎や呼吸困難を引き起こし、命に関わることもあります。RSウイルスに免疫はなく、何度でもかかる病気です。しかし、年齢が上がるにつれて風邪症状は軽くなっていきます。
1歳未満の乳児、特に出生時に妊娠36週未満で生まれた早産児や心臓や肺に持病がある場合、神経・筋肉の病気や免疫不全などの持病がある場合症状が重くなるリスクが高くなります。また、高齢者も症状が重くなる場合があので注意が必要です。
どうやって感染するのか?
RSウイルスの感染する原因(感染経路)は飛沫感染と接触感染です
飛沫感染:感染した人の咳やくしゃみなど細かいしぶきに含まれているウイルスを空気中で吸い込むことによって感染します
接触感染:ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることにより感染します
RSウイルスに注意が必要な人は?
- 1歳未満の乳児
- 生まれた時に妊娠36週未満で出生した早産児
- 肺や心臓に持病のある子ども
- 神経系・筋肉系の持病がある子ども
- 免疫不全の持病がある場合
- 幼児(年齢が上がるにつれて症状は軽くなりますが、今年は5歳くらいでも入院に至るケースもあるそうです)
- 高齢者
RSウイルスの症状は?
RSウイルスに感染してから身体に症状がでるまでの期間(潜伏期間)は4~5日程度
発熱、鼻水などの症状が数日続いたあと咳などの症状が出てきます。ほとんどがいわゆる風邪症状なのですが、症状が重くなると肺炎や呼吸困難を引き起こします。入院して治療が必要になったり、命の危険がある場合もあります。
特に注意が必要な症状
- 息を吐くときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と音がする(喘鳴:ぜんめいといって気道が狭くなった時に出る音)
- 顔色やくちびるのいろが悪い
- 呼吸をする時に胸がペコペコへこむ、肋骨の間がへこみあばら骨が浮き出る
- 食欲が落ちる、水が飲めない、赤ちゃんの場合は母乳やミルクがのめない
- 鼻の穴が広がり、小鼻がヒクヒク動く
★上記のような症状がある場合は症状が重くなっているサインです
夜間でも重症化のサインがあればすぐに医療機関へ相談・受診するようにしましょう
生後3カ月未満の赤ちゃんでは典型的な症状が出ない場合もあります。
- 母乳やミルクが飲めない
- いつもよりぐったりして元気がない
- 無呼吸発作(呼吸が止まることがある)
- チアノーゼ(皮膚の色が悪く紫色になる状態)などの症状が出る場合があります
このような症状が出ていないか注意しましょう。無呼吸発作は命に関わる重い症状です。
RSウイルスに感染するとどんな治療をするの?
RSウイルスには有効な坑ウイルス薬はなく、治療は出ている症状を和らげる(対症療法)治療になります。
例えば、咳や鼻水を抑える薬や痰を出しやすくする薬、吸入薬などです。
特別な治療法はないので、1歳以上の乳幼児で症状が軽い場合はRSウイルスの検査自体をしないことが多いです。
しかし、症状が重くなる可能性がある場合は入院して経過観察が必要か判断するために検査をします。
検査は鼻の穴に細い綿棒を入れて鼻の粘膜のぬぐい液を使用して検査します。15分程度ですぐに結果がわかります。
入院が必要な場合、食事や水を飲むのが難しい場合は点滴で水分や栄養を補ったり、呼吸が苦しい場合には呼吸管理や酸素を投与したりします。
予防方法は?
RSウイルスは手や物を介して感染するので、手洗いや子どもが触れやすいおもちゃなど身のまわりの消毒が基本的な予防方法です。感染力がとても強く家庭内や幼稚園、保育園などで流行することが多いのがRSウイルスの特徴です。感染しやすい子どもや高齢者と接する機会の多い大人は特に注意しましょう。
- 手洗いをしっかりする
- 手すりやおもちゃ、ドアノブなど子どもが触れやすい場所の消毒
- 特に乳幼児や高齢者と接触する機会の多い大人はマスクをつける
普段からの手洗い・うがい・消毒がとても大切です。
高温多湿で流行しやすくなるので適度にエアコンで温度を調節したり、換気をするようにしましょう。
また体調がすぐれない場合は無理をせず家でゆっくり過ごしたり、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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