かすみ草のゆりかご助産師ママです
今回は「子どもの熱中症対策」についてお話させていただきます。
体温の調節がまだ上手く出来ない赤ちゃんや小さいお子さん(幼児)は大人よりも熱中症になりやすい。
公園や外遊びなど子ども達は夢中になって遊ぶので、大人が熱中症予防に気を配って見守り休憩や水分補給をすすめるのが大切。熱中症対策や応急処置について知り、いざという時に症状が重くならないように子どもを守りましょう!
今回は子どもの熱中症対策についてお話したいと思います。
目次
熱中症ってなに?
高温で湿気の多い環境に、身体が対応できないことで起こる様々な症状のこと
- 大量に汗をかいて身体の水分や塩分のバランスが崩れたり、血液の流れが悪くなり
体温が上がって身体の大切な臓器が高温になることで起こる症状をまとめて熱中症といいます - 高温で湿度の高い場所にいる時や激しいスポーツをした時、その後の体調不良はすべて熱中症の可能性あり!
(帰宅してから症状が出る場合もあるので注意)
- 正しい予防対策をすることで防ぐことができます
- 症状が重いと後遺症が残ったり、死に至る可能性もあります
- 症状が出ても応急処置を知っていれば、症状が重くなるのを防ぐことができます
熱中症の症状は?
熱中症にはどんな症状があるのでしょうか?
症状に気付かずに症状が重くなってしまうこともあります。
軽い症状のうちに対応をするのが大切です。
どれか1つでも症状あある時は注意が必要です。
どんな症状があるのか確認しておきましょう。
めまいやふらつき
めまいや立ちくらみなどの症状がでたら熱中症のサインです。
一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。
大量の汗
拭いても拭いても汗がでる時は水分がからだから出すぎている場合があります。他の熱中症の症状が出ていなくても早めに水分を補給したり、涼しい場所で休憩しましょう。
また、全く汗をかいていない場合も注意が必要です。からだの水分が不足し汗をかけない場合は熱を放散できず、汗をかいて体温を下げることができません。からだに熱が溜まってしまい熱中症の重い症状がでる危険があります。
汗のかき方がおかしくないか注意しましょう。またからだの水分尿が不足して尿がでないこともあります。
からだが熱くなる 体温の上昇 顔のほてり
体温が高くて肌を触るととても熱い、顔がほてっていたり、肌が赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです
吐き気 嘔吐 頭痛
熱中症の症状に頭痛や吐き気があります。
熱中症の初期の症状として現れるめまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神の症状が進行すると、頭痛や吐き気、体のだるさ(倦怠感)の症状が現れることがあります。
暑い環境にいたり、激しいスポーツをした時など体温を下げようと大量に汗をかき、からだの水分・塩分が不足することで、血液の流れが悪くなります。それにより、熱中症の初期症状である、めまいや立ちくらみ、一時的な失神といった熱失神が現れることがあります。その状態で、適切に水分・塩分の補給やからだの冷却が行われないと、脳や消化管、肝臓への血流低下や、それら重要臓器自体の温度上昇により、全身の倦怠感(だるさ)や頭痛、吐き気といった症状が現れてき
筋肉痛
「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつる症状が出る場合があります。筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなることもあります。
からだがだるい 力が入らない 意識がない
声をかけてもグッタリして反応がなかったり、おかしな返答をしたりする。またはからだがガクガクとひきつけを起こす、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは重度の熱中症にかかっています。すぐに医療機関を受診しましょう。
熱中症になる原因
- 気温が高い 湿度が高い
- 風が弱い
- 急に暑くなり、からだが暑さに慣れていない
- 激しい運動や慣れない運動
- 水分補給不足
- 睡眠不足
- 栄養状態の不良
- 元々の体調不良
これらが原因となって熱中症を引き起こします!
なぜ子どもは熱中症になりやすいの?
体格の特徴
子どもは体重に対して体表面積が広いので、温度や湿度など環境の影響を受けやすいと考えられています。
汗をかく機能が弱い
乳幼児は体温調節の機能が未熟なので、大人よりも熱中症にかかりやすいです。
小さな子どもの身体の水分量は生まれたばかりの赤ちゃんで80%、少し大きくなると70%になり、幼児になると65%になります。
大人は60%なので、大人と比べると身体の水分量が多いのが特徴です。
ただし、代謝が活発なので大人が気付かないうちにたくさんの水分を失ってしまう場合があります。
子どもの発汗機能は成人ほど高くないため、体温を下げる能力が低く、体の中に熱がこもりやすいと考えられます。
外では大人より暑い環境にいる!?
子どもは背が低いので大人よりも地面に近い環境で過ごすことが多く、地面からの熱を受けやすくなります。
大人よりプラス3℃ほど体感温度が変わります。
大人は32℃の環境でも子どもは35℃!かなりの暑さですよね。
ベビーカーに乗っている赤ちゃんも同じくらいか、もう少し低い位置でかなりの暑さになっている可能性もあります。
日光が直接当たる場所を避け、日陰に移動して地面からの熱を避ける必要があります。
また保冷剤や冷感グッズ、水分摂取などで適度にカラダを冷やすことが大切です。
自分で症状を知らせたり、予防することができない
子どもは自分で適切な水分摂取ができないことです。
赤ちゃんはもちろん自分から水分を摂ることはできないですし、
子ども遊びに夢中になると喉の渇きを忘れて遊んでいることもしばしば。
大人が意識して休憩や水分摂取をするように声かけする必要があります。
自分ではカラダの異変を訴えることができないので注意して見守りましょう!
子どもの熱中症対策
水分をとって適度に冷やす
子どもは代謝が活発なので、大人よりもたくさんの汗をかきやすい。
身体から出ていく水分が多く、脱水を起こしやすい身体です。
暑い季節は水分を多く含む食べ物をとるようにや心がけ、定期的な水分補給をしましょう。
水分摂取は水のみではなく、麦茶(カフェインを含まない)、薄めたスポーツドリンクがおすすめです。
スポーツドリンクはそのままでは糖分が多いので通常の2~3倍に薄めるか、水と併用して水分摂取しましょう。
熱や日差しから守ろう
体温調節の機能が未熟なため、熱のこもらない素材の服や薄い色の衣服を選んで着せましょう。
日光を遮る帽子も身につけましょう。可能であれば日傘やポップアップテントなどで日差し避けをするのもおススメです。
地面の熱に気をつける
子どもの高さや気温や湿度を気にかけましょう。
日陰に入るように注意をして、可能であれば日よけできるものを持って外遊びをしましょう。
(帽子・日傘・ポップアップテントなど)
暑い環境に置き去りにしないようにしよう
乳幼児は自分の力で移動することができなません。「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と放置するのは危険です。
特に車内に置き去りにするのは絶対にやめましょう!!
日本自動車連盟の車内環境の実験では、
外気温が32℃の中「日当」と「日陰」に停めた2台の車内温度を比べると
開始20分で車内温度は「日当」は40℃を超えて、開始30分後「日陰」でも35℃を超えていました。
買い物に行く時やちょっとした幼児の時、
赤ちゃんや子どもが寝ていると「起こすのめんどくさいな...すぐ帰るから大丈夫かな…」
という気持ちが頭を巡る時があるのは良く分かります。しかし、それは子どもの命を奪う危険があること!
必ず車内には置き去りにしないように、またエアコンをかけた状態でも前の座席と後部座席でエアコンの効き方が違う車(うちは軽自動車ですがエアコンの効きが悪いので後部座席はかなり暑いです)もあるので長時間子どもから目を放さないようにしましょう。
また、車に乗り始めに車内温度が高温になっている場合は
窓を全開・車のエアコン外気温導入・温度設定Lo(最低)にして走行
↓
2分後に窓を締める・エアコンを内気循環3分間走行
この方法が最も効率的に車内温度を下げて涼しくすることができます。
もし車に子どもが取り残されてしまって自分で外に出れなくなってしまった時は
クラクションを鳴らして助けが呼べるように
子どもに伝えておきましょう!
室内遊びも油断しないようにしよう
日差しがない屋内では大丈夫だろうと油断しがちです。エアコンを適度に使い過ごしやすい環境にしましょう。
水分補給も定期的に意識して声をかける必要があります。
熱中症に負けない身体づくりも大切
水分補給がしっかりできていても、食事が摂れていなかったり、食事内容が偏っていたりすると疲れが溜まって熱中症にかかりやすくなります。普段からの食生活と睡眠時間を整え熱中症に負けない元気なからだづくりを心掛けることも大切です。
周りの大人が気にかけよう
子どもは暑さや体の不調をまだ自分のことばで十分に訴えることができません。
汗や体温、顔色や泣き方など、赤ちゃん・子どもの様子を、まわりの大人が気にかけましょう。
また風邪の症状があったり、下痢をしている場合など体調が悪い時は無理をせずお家でゆっくり過ごすようにしましょう!
赤ちゃんの症状と熱中症対策
赤ちゃんに次のような様子が見られたら、熱中症による脱水症状を起こしている可能性があります。
赤ちゃんは自分の言葉で症状を訴えられないので、ママやパパ、保護者がよく様子を見ていてあげましょう。
初期症状
●からだが熱い 顔が赤くほてっている
● 唇が乾燥している
● 母乳やミルクをよく飲むのにおしっこの量が少ない
● 抱っこすると体が少しひんやりする
● 機嫌が悪くなり泣き止まない
このような初期症状が現れた段階で、涼しい場所に移動してベビー用イオン飲料などで水分と塩分を補給しましょう。
危険症状
●泣き声に元気がない
● 唇がカラカラに乾燥している
● お腹の皮膚に弾力がない
● おしっこが出ない
● 泣いても涙が出ない
● ぐったりしている
● けいれんを起こしている
● 顔色が青白い
これらの危険症状が見られたら、まず涼しい場所へ移動しましょう。足を高くして寝かせ、脳に血を送ります。濡らした冷たいタオルで、首・わきの下・太ももの付け根を冷やし、迷わずすぐに病院に連れて行ってください。赤ちゃんは大人よりも早く脱水症状が進んでしまうので、一刻も早く対応することが大切です。
赤ちゃんの熱中症対策は?
こまめに水分補給させる
お出かけするときは水筒やペットボトル、ベビーマグを持ち歩くようにしましょう。お出かけ直前に冷蔵庫から取り出すのがおすすめです。
母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合は、授乳室がある場所をチェックする、授乳ケープを持ち歩くなどして、定期的に水分補給をさせてあげてくださいね。哺乳びんにお白湯を入れて、時々飲ませて水分補給してあげましょう。
熱をうまく逃がす
ベビーカーに赤ちゃんを座らせておくと、コンクリートの地面から跳ね返ってくる熱を受けやすく、風通しも悪いので、熱中症のリスクが高い状態です。
ジェルの保冷剤をタオルに巻いて背中に置いてあげたり、ベビーシート用の保冷剤を使用したりするなどで予防してあげましょう。
また、車のチャイルドシートも熱がこもりやすいので要注意。車でお出かけするときは、こまめに休憩を取り、赤ちゃんを風通しの良い屋外に連れ出してあげてくださいね。
直射日光を避ける
直射日光に当たらないことも、効果的な熱中症の予防法の一つです。チャイルドシートやベビーカーには日よけをつけ、お出かけのときは赤ちゃんに帽子をかぶらせてあげましょう。
赤ちゃんは帽子を嫌がることが多いですが、好きなキャラクターや動物がついた帽子を買ったり、バッジをつけたりして、楽しく帽子をかぶれる工夫をしてみてください。
助産師ママのおすすめ熱中症対策
公園に行く時は万全の対策で行こう
暑さと日差しで大変だけど、子どもは外で遊ぶのが大好き!しっかり準備して行こう!
- 水筒(水 お茶 薄めたスポーツドリンク)塩あめ
- 保冷バック 保冷剤(応急処置で身体を冷やす時にも使えます)
- 日よけ(日傘・帽子・ポップアップテントなど)スティクゼリーを凍らせて持っていくのがおススメ
スティックゼリーを凍らせて持っていくのがおススメ
最近子ども同士が仲よしのママに教えてもらったんですが、凍らせたスティックゼリーがとても万能!!
凍らせると少し硬くなるので手が汚れたりしないし、逆に外遊びの時などは直接ゼリーに触れないので感染対策をしながら食べられる!
凍っているのでひんやりして美味しいし食べると内側から身体を冷やしてくれます。
わが家では外遊びの時や保育所帰り、風呂上がりなどに1~2個食べてひんやりしています。
昔からよく見かけるゼリーで、このゼリーみんな食べるのかな?ってちょっと思ってたけど、この方法を教えてもらってからは常に冷凍庫に常備しています。
お家では水分が多い食事&身体が冷やせる夏野菜を
普段から食事で水分を多く含んだものを食べることも大切です。
キュウリやトマト、なすなどの夏野菜やフルーツ(バナナ・パイナップル・キウイ・桃・マンゴー)などは水分を多く含んでいます。朝食もパンだけなどでなく汁物やフルーツをつけてあげるのも良いと思います。
今回は子どもの熱中症対策についてのお話しました。
暑い季節ですがしっかり熱中症対策をして楽しい夏にしましょう!
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